組織分析:変化プロジェクト成功に向けての第一歩

バージョン 5

    皆様お久しぶりです。チェンジマネジメントチームの杉山です。

     

    このチェンジマネジメントブログを始めてからもうすぐ半年経ちますが、なんと!今回めでたく10回目の投稿となりました!Atmosphere Tokyo での講演後このブログの閲覧数も、お客様と直接お話をする機会も増えてまいりました。少しずつですが、チェンジマネジメントが認知され始めてきて嬉しく思っています。

     

    さて、今日はそんなチェンマネ話をお客様とさせていただく際によく質問にあがる4つの柱の一つ、「組織分析」について深掘りしたいと思います。

     

    社員を知ることの重要性

     

    変化プロジェクトを遂行する中で組織分析はとても大きな役割を果たします。なぜかというと、これはプロジェクトにおける非常に大事な準備期間だからです。

     

    例えば・・・家を建てるとしましょう。

    家を建てる立地はどこでしょう?その土地の形状や土の質は?土地の傾斜は建設においてどんな影響があるでしょうか?

    基本中の基本ですが、まずは現状の把握から理解しないことには、丈夫な家を作ることはおろか、家の基盤すら作ることができません。変化プロジェクトも同じです。プロジェクトの遂行は現状を把握するための組織分析なくして、強固な基盤を作ること、ひいては成功に近づくことは不可能です。変化プロジェクトが全社導入であろうと一部の社員向けであろうと、分析に伴う準備期間は絶対に無駄になりません。

     

    チェンジマネジメントの調査を行っている Prosci の調べによると、変化プロジェクトの成功要因に組織分析は欠かせず、強固なスポンサーシップのサポートの次に重要な要素だと言われています。おさらいにはなりますが、この柱に関する活動としては、まずは社員を知ること、そして影響範囲や IT ツールの利用方法を把握することがあります。(手法についての詳細はバックナンバーをご覧ください!)

     

    把握するべき事項は?

     

    ではここで、社員へのコミュニケーションやトレーニングを実施する前に把握すべき事項の例を見てみましょう。

     

    質問

    この変化によって影響を受けるのは誰ですか?

    社員全員?特定のチーム?社外での仕事が多い社員?人数は?海外勢は?

    変化は何についてのものですか?

    制度?業務プロセス?働き方?あるいは上記すべて?

    影響の度合いは?

    毎日の業務に影響すること?あるいは業務の一部のみ?

    社員がトレーニングで得るべき知識とその目的は?

    どんな新しいスキルが社員に必要なのか?どんなプロセスを学ぶ必要があるのか?

    社員とのコミュニケーションはどう取っていく?

    社員同士はどうコミュニケーションしているのか?すでに使われているコミュニケーションツールはどんなものか?近々実施される全社ミーティングなどは?チームミーティングはあるか?

    最適な教育方法は?

    普段企業で行っているトレーニングはどんなものか?どんな方法が一番効果的か?全社員に必要か?研修方法は?

     

    これらをひとしきり把握できた上で、次のステップであるコミュニケーションやトレーニング活動の計画と実施に踏み出すことができます。

     

    把握するための方法は?

     

    上記をすべて網羅して知っていくのは一見大変そうに見えますが、把握していく方法は多々あります。

    中でも一番効果的な方法は、影響を受けるであろう社員と会話を交わすこと。直接のつてがあれば、社員の方にちょっと時間を取って協力をしてもらうのも方法の一つです。また、各グループのマネージャーに社員を指名してもらい彼らにインタビュー方式で情報を得るでもいいですし、アンケートを書いたり、社員をよく知る人事の方々と話をするという方法もありますね。

     

    繰り返しになりますが、この準備が必要な理由は、変化プロジェクトにまつわるコミュニケーションやトレーニングの活動が、集中的でかつ最適なものとなるようにしていくためです。そもそもニーズや影響のないグループに対して工数や時間を割いてしまったり、コミュニケーションのツールやメッセージが伝えたい場所に伝わらなくて、浸透しないと非常にもったいないですよね。組織分析の中で得られる今まで知り得なかった情報、副産物もきっと多くあります。準備しておくことは、プラスにのみ働きます。

     

    最後に

     

    最近、お客様との会議の中で図らずも組織分析の話になりました。Google ドライブの推進のために、Docs、Sheetsやスライドのトレーニングを工場の社員に行うことを計画しているとのことで、どんな場面で利用してもらうことを想定しているか伺ったところ、「具体的にはわからないが、社員にもっとコラボレーションをしてほしい」と返事が返ってきました。コラボレーションは非常に良いゴールです。が、トレーニングの目的は、社員にとって意味を持つもの、価値あるものでなければなりません。

    「トレーニングを実施した」という事実一つで、社員がそれを使いこなし、働き方が変わるかと言ったらそれは違います。トレーニングの内容やツールがどんなに素晴らしくとも、彼らにとってきっかけになるものがなければトレーニングを受けた内容を実行に移すことはないと言えると思います。変化プロジェクトにおいてより良いアプローチは、まず工場の社員と話をして、彼らの業務を理解し、その上で彼らにとってメリットになるツールや機能に焦点を当てたコミュニケーションとトレーニングを行っていくことではないでしょうか。それによって、トレーニングが単なる機能の学びの場から、日々の業務に活かせるヒントの詰まった意義ある場へと進化するはずです。


    我々が社内で使う言葉に「マジックモーメント(魔法のような瞬間)」というものがあります。G Suite を利用する社員の方々にとってのマジックモーメントは、きっと効率化やコラボレーションを肌で感じて、仕事や業務が改善され、変わる瞬間です。その瞬間を感じてもらう秘訣は、ツールを利用する相手の目線に立ち、彼らのことを理解して、各グループに合った活動を堅実に積み重ねていくことだと思うのです。

     

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