インタビューシリーズ : Nobuyuki Abe - Customer Success and Partner Operations

バージョン 4

    皆様こんにちは、チェンジマネジメントチームの杉山です。

    今回はインタビューシリーズ第一弾と題しまして、Google for Work Customer Success Management チームの安倍 伸征氏にチェンマネについてのお話を伺いました!

     

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    Q : 安倍さん、Google Appsのお客様が導入をスムーズに行うためにチェンジマネジメントが重要なのはなぜだと思いますか?

    そう思うきっかけとなったエピソードなどがあったら教えてください。

     

    安倍 :「安心」と「安全」、「慣行」と「簡便」が同義だと誤解されている方も多いのではないでしょうか。心では安らぎを覚えていても、その状態が必ずしも安全だと限りません。慣れている行為だからといって、それが必ずしも簡単で便利な状態とは限りません。

     

    チェンジマネジメントは、この誤解を解くための重要な鍵であると言えると思います。

     

    例えば、これまで何もなかったからという安心感だけで、添付ファイル付きメール+パスワード送信という「誤送信による情報漏えいのリスク」を伴う状態にも関わらず、その方法を安全だと認識してしまっているケースも多く見られます。また、「添付ファイル付きメール+パスワード送信」という方法でファイルを何度もやり取りする複雑なプロセスに慣れ親しんでしまっているが故に、そのプロセスを圧倒的に簡便にする方法があっても、それを学ぶことに面倒くささを感じてしまうことも多々あるようです。実際にはシンプルな操作なのですが。

     

    こういったケースが生じるのは、「安心」と「安全」、「慣行」と「簡便」を頭の中で同義だと誤認識していることに端を発しているのですが、同時に何か新しいことが目の前に来た時に、それを「漠然と不安」だと思う曖昧な心理的作用も多分に影響しているのではないかと私は考えています。この曖昧な心理的作用が、本質を掘り下げる思考を妨げ、誤解や誤認識を産み、結果として新たな行動様式を取り入れることに対して障壁を置いてしまうことに繋がっているのではないかと考えています。

     

    こうした「漠然とした不安」を取り除くためには、適時かつ適切なステップで心理的な変化を促す経験に裏打ちされたチェンジマネジメントを実践していくことが成功への鍵ではないかと思います。



    Q : 日本で Apps 導入の成功を納めているお客様は、企業の社員(ユーザー)に向けてのケアをどのように行ってましたか?

     

    安倍 : 様々なパターンがありますが、その中でも印象的なケースを2つ挙げます。

     

    1つ目は、変化を促進する担当者がビジネスの現場まで直接行き、丁寧に現場のプロセスを間近で確認しながら、Apps を取り入ることで効果が出るケースを特定し、現場の社員(ユーザー)にコーチングするケースです。現場のファンを着実に増やしたという意味において、とても良い成功モデルだと思います。

     

    2つ目は、大規模な社内マーケティングイベントを敢行するケースです。社員数が多く、かつ複雑な業務形態を取っている企業の場合、変化を促進する担当者が現場に出向くのにも限界があります。そこで大々的かつ多角的に社内イベントを実施することで、取り組みについての認知度を一気に向上させ、集団的心理作用の特徴を活かして大きな流れを創りだしたという拡張性の高い取り組みだったという意味において、とても良い成功モデルだと思います。

     

     

    Q : 私達のチェンマネ手法のなかで、日本のお客様の Apps 利用率の向上に一番影響する要素はなんだと思いますか?

     

    安倍 : 企業規模や業務の複雑度によって「一番影響する要素」というのは変わってくると思います。その意味において最も重要だと思うのは、現場に一番影響を与えることが出来る体制と方式をいち早く見つけることだと思います。

     

    比較的小規模の企業の場合、シンプルにトップダウン(または専門家によるボトムアップ)で物事が進みやすいのではないかと思いますが、中程度以上の規模の企業になると、トップダウン+変化を促進する担当者の現場感がとても重要な要素になってくると思います。現場感が不足していると空回りしてしまう可能性が高くなります。

    また、大規模な企業においては、全体の文化として合議制で進むケースが比較的多く、その場合は経営幹部+変化を促進する担当+ビジネスの現場社員といった複数のステークホルダーが同じテーブルにつけるような「仕組み」が大切になってくると思います。こういう大規模なケースでは、仕組み作りに長けた人が社内に居るか居ないかでAppsの使い倒し具合が大きく変わりますが、社内に居ない場合でも、うまくパートナー企業の経験やスキルを中長期で取り込み、「仕組み」で変化を促進することが出来れば、Appsをしっかりと使い倒していくことが出来るようです。

     

     

    Q : 最後に、既存のお客様が、Appsの利用率を向上しを最大限活用できるためのヒントはなんでしょうか。

     

    安倍 : 最近お客様と会話をしていて感じることですが、Google Apps における有用な機能の存在をご存知ない場合がある、ということです。お客様はお客様で知っている範囲でベストを尽くして Google Apps を使い込んでるのだと思います。しかし、年間200前後のアップデートが次々と生み出されるクラウド型サービスに対して、実状はお客様が追いついておらず、本来享受いただけるはずの Google Apps の価値のうち数%程度しか伝わっていないのではないか、という想いを強く持っています。この事から考えると、仮に初期の段階でトップダウンで変化を促すことに成功し、個別のワークショップで現場のプロセスの改革を実現出来たとしても、ある一定時期経過すると、やはりまた新しくリリースされるであろう更なる有用な機能の存在が伝わっていないという状況が発生するのではないかと思います。これは大変残念な事だと言えます。

     

    Google Apps は日々進化しています。言い換えれば、右肩上がりに価値が増えているということでもあります。お客様がAppsを最大限活用するためには、「右肩上がりで増えていくGoogle Apps の価値を喰らい尽くす」という想いを強く持ち、そしてそのための「中長期的な体制と方式」をいち早く確立することが大切だと思います。そのヒントとして、Google Apps におけるチェンジマネジメントの経験を持つプロフェッショナルなアドバイザーやパートナー企業を初期の段階から取り込み、Google Apps を使い倒すための中長期的な目標 (KPI設定)と戦略 (チェンジマネジメントやワークショップなど)を策定し、定期的にGoogle Apps の使い倒し具合をレビューすることが1つの方法だと考えられます。

     

    Apps のお客様にはAppsの価値を 100% 享受いただきたいので、お客様と二人三脚で歩んでいただけるようなチェンジマネジメントのプロフェッショナルなアドバイザーや、関連のサービスを提供出来るパートナー企業を継続的に発掘していこうと考えています。

     

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    安倍さん、貴重なお話どうもありがとうございました!

    ツールや企業の規模などを飛び越えて、チェンジマネジメントの手法は Google Apps のフル活用に向けて非常に効果的なもの。

    詳しい手法については、バックナンバーを是非ご参照ください。